全ての課題を解決した“管理職面談”の方法

「どう教えるか」の重要性に気が付いた。

現在、飲食店で店長と従業員のコミュニケーションが課題なんです。それは、声の掛け方や教え方です。店舗を取り仕切る店舗責任者達は、わざわざ「話し方」「教え方」を習ってはいません。その結果、中にはスタッフに対して命令口調になる方もおり、それが原因で、スタッフの早期離職につながり定着しない。今まで「そんなもん」と感じていた領域にあえてテコ入れしようと考えたのがきっかけです。

この課題を深掘っていくと、その重要さにあらためて気が付きました。一般的に飲食店で勤務する社員への評価は、売上やスタッフの管理がありますが、店舗責任者がアルバイトさん達への育成や教育をしなければならない。「何を教えるか」はマニュアルがあっても、「どう教えるか」がすごく重要になってくる。そこで、店舗責任者の「コミュニケーション能力」を向上する事で、お店の活性化を図る取組みを導入しました。

芳(よし) 様
簡単に思えた「コミュニケーション」

具体的な流れとしては、外部のコンサルタントの方とプロジェクトを組んで仕上げた内容なのですが、簡単に言うと【コミュニケーションの方法を体系化して、店長を含む管理職に対して実施していく】という取組みになります。

管理者側が一方的に話すのではなく、「今日どうだった?」「その時どう思った?」等、今まで立ち話等で業務的な会話しかしていなかった関係性よりも、もっと繋がりを持ったコミュニケーションを行う事で、より良い関係性を築く様にしました。

「そんなの簡単だ」という意見も多いと思いますが、出来る様で、意外と出来ない方が多く、出来ない管理者ほど、スタッフとの距離が遠くなってしまう、その結果離職に繋がったり・・・と悪循環が続いてしまう事も。

話の深掘りや、訴求内容の特定等が含まれているので、管理職が部下に対する「話し方」を学ぶ事で、自身へのマネジメント力(セルフマネジメント力)も強化する側面も兼ね備えているんです。

まずは管理職から!

具体的な方法はマニュアルにそった「1対1」の面談か、「2対1」の面談の実施です。
(2対1の場合は、2が上司、1が部下の構図)

制度を導入するにあたって、指導する順番も大事にしたポイントでした。いきなり店長陣に対して「こうしろ」「あぁしろ」と言うのでは無く、まずはその上の部長やマネージャーがそのスキルを身につける様にしました。

部長はマネージャーに、マネージャーは店長に、店長は各スタッフに・・という流れを作り、実践する事で組織全体でスキルが向上する事がベストですし、意外と管理職同士や直属の部下上司の関係でも、その人のパーソナルな部分まで理解出来ていない状態でした。「まずはお互いを知ろう」というスタンスで積極的に各人と向きあう事で、よりマネジメント力も向上すると考えました。

数字にも表れた取組みの成果

この取組みを行なっていて、印象に残った出来事がありました。あるスタッフと私が面談をした時、「こんな風に理解してもらえるなんて、思ってなかった。」と目に涙を浮かべながら言っていた事です。上司として「何でもっと早く気付いてあげられなかったのか」と反省する反面、「この取組みを行なってきて本当に良かった」と感じました。

「相手を認める」事がこんなに大事なんだと、再確認できました。

また取組みを通して、数値的に変化した事もあります。お話し出来る範囲で言うと、まずは離職率の改善です。当社では早期離職率(3ヶ月以内離職)を定点観測しているのですが、割合が【40%】→【10%台】に変化しました。スタッフが辞めないお店が増えた事で、採用に関連する費用も抑える事が出来ました。

今後は“全員”に

現在は、部長やマネージャーを中心にこの取組みを実践しておりますが、今後はスピードを早めて店長陣、そして何よりお店で頑張って頂いているアルバイトさん達にも取組みを行なって行きたいと考えています。

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